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冬になると急増するお風呂や脱衣所での「ヒートショック」。室内の温度差が原因で起こり、命に関わる危険性もあります。こうした事故から家族を守るためには、住まいの性能を見直すことが大切です。今回は、ヒートショックの基礎知識と家づくりでできる具体的な対策を分かりやすく解説します。
◆ヒートショックとは?「家の中の温度差」が引き起こす健康リスク
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、めまいや失神、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす健康リスクのことです。特に冬場の寒いお風呂や脱衣所で起こりやすくなります。
◎ヒートショックが起こるメカニズム
ヒートショックの主な原因は、「室内の温度差」です。暖かい部屋から寒いお風呂や脱衣所へ移動すると、身体は寒さに対応しようとして血管が急激に収縮し、血圧が上昇します。その後、熱い湯船に入ると今度は血管が一気に広がり、血圧が急降下。この激しい血圧変動が、心臓や脳、血管に大きな負担をかけ、健康被害を引き起こします。
◎ヒートショック死亡者は交通事故の約3倍!
※引用:消費者庁「コラムVol.12 高齢者の事故-冬の入浴中の溺水や食物での窒息に注意-」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20241219/
厚生労働省の人口動態統計によると、令和5年に「不慮の溺死及び溺水」で亡くなった高齢者のうち、約8割が入浴中の事故とされています。そのうち自宅の浴室で亡くなった人は6,073人。この数は年々増加傾向にあり、今や交通事故による死亡者数の約3倍にのぼります。ヒートショックは高齢者に多いとされる一方で、若い人でも発症リスクが高まっていると言われています。決して他人事ではなく、誰にでも起こりうる身近な事故なのです。
◎なぜ“家の中”でヒートショックが起こるの?
※引用:政府広報オンライン「交通事故死の約3倍?!冬の入浴中の事故に要注意」
https://www.gov-online.go.jp/article/202111/entry-9952.html
ヒートショックは、部屋の温度差が大きいほどリスクが高まります。リビングは暖房で暖かくても、お風呂や脱衣所、トイレなどは暖房が行き届かず、寒くなりがちです。その結果、部屋を移動するたびに血圧が上下し、身体に大きな負担がかかります。つまり、ヒートショックは住環境そのものが深く関係していると言えます。
◆ヒートショック予防に最も効果的なのは「部屋の温度差をなくす」こと
室内に温度差が生まれる主な原因は、「家の断熱・気密性能の低さ」にあります。断熱・気密性能が低い家では、暖かい空気が外へ逃げやすく、壁や窓のすき間から冷気が侵入しやすいため、家全体を均一な室温に保ちにくくなります。暖房のある部屋とそうでない部屋では、10度以上の温度差が生じることも珍しくなく、これがヒートショックのリスクを高めます。だからこそ、住宅性能や設計の工夫によって家全体を暖かく保つことが重要。住まいの性能向上こそが、根本的なヒートショック対策と言えるでしょう。
◎部屋の温度差をなくすために重要な「家の断熱・気密性能」
家全体を暖かく保つためには、すき間を極力減らす「気密性」と、熱の出入りを抑える「断熱性」の両方を高める必要があります。高断熱・高気密な家は家全体の室温が安定し、部屋の温度差も小さくなります。お風呂や脱衣所などでの急激な血圧変動を防ぎ、ヒートショックのリスク軽減につながります。
◆家の中でヒートショックが起こりやすい場所とは?
家の中で特に注意しておきたい場所は、次のような冷えやすい空間です。
・お風呂
・脱衣所
・トイレ
・玄関
・廊下
これらの場所は暖房機器が設置されていないことが多く、冬場は寒くなりがちです。特に、窓の断熱性が低い場合や、水まわりが光の入りにくい北側に配置されている間取りなどの場合は、リビングとの温度差が大きくなりやすく、ヒートショックのリスクが高まります。
◆ヒートショックを防ぐための住宅設計4つのポイント
ヒートショック対策で最も効果的なのは、室内の温度差をなくすことです。そのためには、住宅性能を高めることに加え、設計段階で温度差を生みにくい工夫を取り入れることも大切です。重要な4つのポイントをまとめました。
① 外壁・屋根・床・窓の断熱性を向上
まず重要なのが、住まい全体の断熱性を高めることです。LDKだけでなく家全体にしっかりと断熱材を施工し、窓にはLow-E複層ガラスなどの高断熱な建材を採用。外気温の影響を受けにくい構造にすることで、冬でも暖かな室内環境を保てます。
②気密性を高める
断熱性能を十分に発揮させるには、気密性の確保が不可欠です。家のすき間を極力減らすことで、暖かい空気が逃げにくくなり、冷気の侵入も防止。室内の温度差が生まれにくくなります。
③換気・空調システム選び
外気をそのまま取り込む換気方法や部屋ごとの暖房管理ではなく、取り込む空気を暖めて室内に供給する「熱交換型換気システム」や、家全体を空調管理する「全館空調」がおすすめです。暖かい空気が家全体に循環するため、部屋の温度差を抑えられます。
④間取り・動線の工夫
間取りの工夫でもヒートショックのリスクは軽減できます。例えば、建具を減らして空気が循環しやすい間取りにしたり、LDKと水まわりを近くに配置して移動距離を短くしたりすることで、温度変化による身体への負担を減らせます。
◆すぐできる既存住宅でのヒートショック対策
新築や全面リフォームの予定がない場合でも、ヒートショック予防は可能です。おすすめの対策法をご紹介します。
① 暖房設備の導入
浴室換気乾燥暖房機やヒーターなどの暖房器具を、お風呂や脱衣所、トイレなどに設置し、使用前に室内を暖めておきましょう。急激な血圧の上昇を和らげる効果が期待できます。
② 窓の断熱改修
家の中で最も熱の出入りが大きいのが窓です。内窓の設置や高断熱窓ガラス・サッシへの交換など、部分的な断熱リフォームでも寒さ対策に大きな効果があります。国や自治体の補助金制度を活用できるケースも多く、費用負担を抑えながら安全性と快適性を高められます。
この他にも、ドアのすき間風を防ぐ、カーテンで冷気を遮る、浴槽のふたを外して給湯するなど、手軽にできる対策法も効果があります。ぜひ実践してみてください。
◆まとめ|安心できる「ヒートショック対策住宅」を建てよう!
WHO(世界保健機関)は、健康維持のために冬の室温を「18度以上」に保つことを推奨しています。そのために大切なのは、家全体が暖かく快適で、健康な暮らしを守れる高性能な住まいを選ぶことです。
高断熱高気密性能はもちろん、温度差が生まれにくい間取り・設計までを意識してプランニングしてくれる住宅会社・リフォーム会社選びが重要です。高性能な住まいは、住み心地や快適性だけでなく、家族の健康と安全を守ります。これから新築やリフォームを検討される方は、「健康に暮らせる家」という視点で家づくりを考えてみてはいかがでしょうか。
◎「トリプルA工法」で建てるアヤプラスハウスの家
アヤプラスハウスでは、家庭用エアコン1台で家全体を心地よい温度と湿度に保つ、独自工法「トリプルA工法」を採用しています。高気密・高断熱性能と全館冷暖房を組み合わせることで、寒さが厳しい冬でも家全体が暖かく、快適で健康に暮らせる住まいを実現します。家族が安心・健康に暮らせる家づくりなら、ぜひアヤプラスハウスにお任せください!
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*「寒さ、暑さに影響されない住空間を実現するトリプルA工法」
*「ヒートショックの危険性とは?気密性と断熱性が防止のカギに」
*YouTube「ヒートショックの死亡者数が交通事故死亡者より多い理由を教えます」
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*この記事を書いた人
石川住建 代表取締役 石川 武 / スタッフインタビュー








