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こんにちは、彩+houseです。
住宅性能の中でも特に注目されている「断熱性能」。しかし、等級や数値の意味がわからずどうしたらよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回は、2022年に新設された断熱性能等級6・7の基準やメリット、家づくりで押さえるべきポイントをわかりやすくご紹介します!
◆断熱性能の等級とは?

断熱性能等級は、国土交通省が制定した品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められた、住宅の快適性や省エネ性能を表す指標です。等級は1~7まであり、数字が大きいほど断熱性能も高いことを示します。
◎2025年新基準に対応した「等級7」とは
2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、2025年4月より省エネ基準の適合が義務化されました。これに先立ち、2022年10月には新たに断熱等級6・7が新設され、従来最高等級であった等級4が最低基準となりました。等級7は現行制度で最も高い断熱性能と位置づけられています。
◎断熱性能等級の変遷
| 等級 | 施行 | 概要 |
|---|---|---|
| 等級7 | 2022年10月 |
・HEAT20 G3レベル ・平成28年省エネ基準よりも、冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね40%削減できる |
| 等級6 |
・HEAT20 G2レベル ・平成28年省エネ基準よりも、冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減できる |
|
| 等級5 | 2022年4月 | ・ZEH水準の断熱基準 |
| 等級4 | 2000年4月 | ・平成28年省エネ基準 |
| 等級3 | ・平成4年省エネ基準 | |
| 等級2 | ・昭和55年省エネ基準 | |
| 等級1 | – | ・昭和55年省エネ基準未満 |
断熱性能等級は7段階で格付けされ、等級が高いほど断熱性が優れています。以下に、各等級の断熱性能の違いをまとめてみました。
現在、新築住宅では等級4以上が必須とされています。2030年にはさらに省エネ基準が引き上げられ、等級5以上(ZEH水準の断熱性能)を満たすことが義務化される見通しです。
◆断熱性能の等級6・7はどのくらいすごいのか?
断熱等級6・7は、平成28年省エネ基準の等級4を大きく上回り、快適性と省エネ性を飛躍的に高めます。これからの住宅が目指すべき指標と言えるでしょう。
【断熱等級6】
・HEAT20 G2レベルに相当
・冬季の室内温度が概ね13℃を下回らない
・等級4と比べて約30%の一次エネルギー消費量が削減できる
【断熱等級7】国内最高基準
・HEAT20 G3レベルに相当
・冬季の室内温度が概ね15℃を下回らない
・等級4と比べて約40%の一次エネルギー消費量が削減できる
※参考:国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」
国土交通省「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」
◎UA値で見る断熱性能の比較表

※引用:「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会「HEAT20の家 ―⼿に⼊れよう豊かなくらし―」」
断熱性能を評価する指標の1つに、「UA値」(外皮平均熱貫流率)があります。UA値は、室内と外気の熱の出入りのしやすさを示し、数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを示します。
UA値は、1~8区分に分けられた地域区分ごとに基準値が決まっています。茨城県は、地域区分5に該当します。
| 等級 | 地域区分 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
| 等級7 | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 |
| 等級6 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 |
| 等級5 | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 |
| 等級4 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
| 等級3 | 0.54 | 0.54 | 1.04 | 1.25 | 1.54 | 1.54 | 1.81 |
| 等級2 | 0.72 | 0.72 | 1.21 | 1.47 | 1.67 | 1.67 | 2.35 |
| 等級1 | – | – | – | – | – | – | – |
◎HEAT20 G2・G3との関係
HEAT20は、「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が提唱する、断熱性能基準で、G1・G2・G3の3段階があります。国が定める省エネ基準よりも厳しく、等級7がG3レベル、等級6がG2レベルに相当します。
◎ZEH住宅との違い
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、太陽光発電などの設備を導入し、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにする住宅です。断熱性能に特化する等級6・7とは、再生可能エネルギーも活用する点で異なります。
◆等級が高い家の3つのメリット

断熱性能が高い住宅は、快適性と省エネの両立を可能にします。具体的にはどんなメリットがあるのかまとめてみました。
①冷暖房効率が上がる=光熱費が下がる

等級6・7の住宅は外気温の影響を受けにくいため、室内環境を一定に保ちやすくなります。それにより、冷暖房機器の稼働を最小限に抑えられ、節電・節約につながります。断熱等級を1段階上げることで、年間の暖房エネルギー消費を約10〜15%削減できます。
②夏涼しく冬あたたかい快適空間
高断熱住宅は室内温度のムラが少なく、吹き抜けや高天井の間取りでも住宅全体の温度を一定に保ちやすくなります。部屋ごとの気温差が緩和できるため、ヒートショックのリスクの軽減にもつながります。
③結露・カビを防ぎ、家の寿命を延ばす
断熱性能が高いと壁内や窓まわりの結露が減少し、カビや腐朽の発生を防ぎます。長期的に家の構造体を守ることができ、建物の寿命を延ばすことにつながります。
◆断熱性能を高める3つのポイント

断熱性能を最大限に引き出すためには、設計段階で押さえるべきポイントがあります。
① 開口部(窓・サッシ)の断熱対策
住宅の中で最も熱の出入りが大きいのが、窓。ペアガラスやトリプルガラス、アルミ樹脂複合サッシなどの高性能な窓ガラスやサッシを採用することが重要です。
② 壁・床・天井の断熱材の選び方
天井や床下も熱の逃げやすい部分。断熱材には、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバーなど多くの種類があるため、それぞれの特徴を知り、コストや性能を踏まえた上で選ぶ必要があります。
③ 気密(C値)施工の精度が性能を左右する
等級6・7を実現するには、気密性も重要なポイントです。どれだけ高性能な断熱材を使っても、隙間があれば十分な断熱効果は得られません。気密性を表す「C値」は、数値が小さいほど隙間が少なく断熱効果が高いことを示します。
◆性能を支える「HEAT20」の考え方

HEAT20の基準は、住宅性能の目安として広く活用されています。住宅のさらなる省エネルギー化を図るために断熱性能に注目し、環境にやさしく、健康で快適な住まいの普及を目指しています。
◎G1・G2・G3の断熱水準を解説
HEAT20にはG1・G2・G3の3段階があり、G3が最高ランク。G1は標準的な高断熱住宅、G2は寒冷地でも快適な高水準、G3は極寒地や最高レベルの快適性を追求する住宅を示します。
【HEAT20 G1】
・断熱等級5に相当
・冬季の室内温度が概ね10℃を下回らない
・等級4と比べて約45%の一次エネルギー消費量の削減できる
【HEAT20 G2】
・断熱等級6 に相当
・冬季の室内温度が概ね13℃を下回らない
・等級4と比べて約60%の一次エネルギー消費量の削減できる
【HEAT20 G3】
・断熱等級7に相当
・冬季の室内温度が概ね15℃を下回らない
・等級4と比べて約80%の一次エネルギー消費量の削減できる
※参考:「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」
◎等級7との違いを比較
HEAT20 G3も断熱等級7も性能面ではほぼ同等ですが、基準の背景や目的、評価方法において違いがあります。
| 団体 | UA値(地域区分5) | 一次エネルギー消費量削減 | 冬の室内温度 | |
|---|---|---|---|---|
| HEAT20 G3 | 民間団体「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20)」 | 0.26 | 平成28年エネルギー水準より約80%削減 | 冬季の室内温度が概ね15℃を下回らない |
| 断熱等級7 | 国が定める「住宅性能表示制度」 | 0.26 | 平成28年エネルギー水準より約40%削減 | 冬季の室内温度が概ね15℃を下回らない |
◆アヤプラスハウスが採用する断熱仕様と実績

アヤプラスハウスでは、「夏も冬も、家の中のどこにいても快適に過ごせる住まい」を目指し、独自の「トリプルA工法」を採用しています。トリプルA工法とは、高気密・高断熱性能に効率の良い冷暖房と換気を組み合わせ、省エネ性、快適性、健康、耐久性に優れ、コスト面にも配慮した画期的な技術です。
◎エアコン1台で快適に暮らせる理由

アヤプラスハウスの家は、高断熱・高気密設計により、家庭用エアコン1台で家中を快適に保てます。エアコンは壁ではなく床下に設置し、壁内の通気層を循環して家全体を暖めます。大がかりな全館暖房設備やエアコンを何台も設置しなくても、優れた省エネ性能で生涯にわたって光熱費を抑えることができます。
◎全棟でHEAT20 G2相当を実現する施工精度
アヤプラスハウスでは、世界トップレベルの断熱性を長期にわたり維持する「フェノール樹脂断熱材」を採用しています。全棟で気密測定を実施し、直近1年間の平均気密値(C値)は、0.27㎠/㎡を測定。徹底した気密測定と施工管理により、全棟HEAT20 G2相当の性能を確保しています。
◆まとめ|断熱性能等級を理解して、快適で省エネな家づくりを!

夏の暑さ、冬の寒さが厳しい今、住まいにおいては性能を重視した家づくりが不可欠になっています。断熱性能等級を理解することは、快適な住まいと省エネの両立につながる第一歩です。
◎性能×デザイン×暮らしを両立する家とは?
家は50年、60年と長く住まい続けるもの。住宅性能はもちろん、住む人のライフスタイルに合わせた機能的で快適な暮らしを叶えるデザインも大切です。アヤプラスハウスでは、HEAT20 G2相当の高い性能も、やすらぎや癒しを感じられる心地よい住空間も、どちらも叶える家づくりをご提案しています。家を建てたいと思ったら、ぜひお気軽にアヤプラスハウスへご相談ください。
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*この記事を書いた人
石川住建 代表取締役 石川 武 / スタッフインタビュー

