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住まいを落ち着きのある空間にしたい、温かみのあるインテリアで心地よく暮らしたい、と思ったことはありませんか?そんな方におすすめなのが、インテリアスタイル「ジャパンディ」です。しかし、取り入れ方が難しいと感じている方も多いかもしれません。そこで今回は、ジャパンディの特徴から配色、家づくりのコツまで、実例を交えながらご紹介します。
◆ジャパンディとは?和×北欧の美意識の融合スタイル
ジャパンディ(Japandi)とは、Japanese(和様式)とScandinavian(北欧様式)を組み合わせた造語で、日本の伝統的な美意識と北欧のシンプルで機能的なデザインを融合したインテリアスタイルです。
北欧のヒュッゲ(心地よさ)や自然素材の温かみに、和の禅・侘び寂び・余白の美といったテイストを調和させることで、落ち着きの中に安らぎや心地よさを感じられる空間が生まれます。
北欧では以前から日本建築や禅の思想への関心が高く、日本でも北欧家具や心地よい時間を大切にする暮らし方が支持されてきました。こうした相互の文化的な共感が、ジャパンディ誕生の背景といえるでしょう。
◎共通点は「自然とともに暮らす」という価値観
過剰な装飾をせず、本質的な心地よさを大切にする考え方は、日本と北欧、両者に共通しています。その融合であるジャパンディは、安らぎや心地よさを求める現代人のニーズにフィットし、世界的な注目を集めています。
◆ジャパンディが注目されている理由
近年、ライフスタイルの多様化により、住まいに求められる価値観も変化しています。「住むための家」から「心地よく暮らすための家」へと意識が移りつつあり、物を持ちすぎないミニマルな暮らしや長く使える物を選ぶサステナブル志向が広がっています。
- 自然素材を活かす
- 流行に左右されにくいデザイン
- 経年変化を楽しみながら使い続けられる素材選び
これらを大切にするジャパンディは、現代に合う住まいの在り方といえるでしょう。
◎コロナ禍で高まった「居心地」への意識
新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えたことで、「いかに家で快適に過ごせるか」が求められるようになりました。総務省統計局の「社会生活基本調査」でも、コロナ禍後に自宅で過ごす時間が増加したというデータも示されています。静かで落ち着きのあるジャパンディ空間は、心身ともにリラックスできる住まいとして支持されています。
◎日本文化への関心の高まり
海外を中心に日本の美意識への関心が高まっています。ジャパンディはこうした日本文化の魅力を現代の暮らしに取り入れたスタイルとして、国内外で高い評価を得ています。
◎流行に左右されない普遍的なデザイン
派手な装飾や強い色を使わず、穏やかで温かみのあるジャパンディは、時を重ねるほどに味わいが増し、時代を超えて長く愛着を持ち続けられることができます。
◆ジャパンディスタイルの基本的な4つの特徴
ジャパンディの本質は、「心豊かに過ごす空間づくり」です。無駄を省きながらも、温もりと柔らかさ、素材の質感を感じられるのが特徴。流行に左右されない洗練された美しさと高い機能性が、快適で心豊かな暮らしをもたらします。
①余白を意識する
家具や装飾、物を最小限に抑え、あえて何もない余白を残します。引き算のデザインで生み出されるミニマルな空間づくりが、視覚的にも心理的にも落ち着きを生み出します。
②自然素材の質感を大切にする
無垢材の床や家具、和紙、漆喰、麻・リネンなどの天然素材を取り入れます。空間に温かみや心地よさを演出するだけでなく、経年変化による味わいが住まいに深みを与えます。
③機能性と美しさを両立した家具選び
北欧の考え方を取り入れ、家具は美しさだけでなく使いやすさも重視。シンプルかつ機能性が高い家具は、和の空間にも自然に調和します。
④落ち着いた配色
インテリアカラーは、自然の中にあるような「ニュートラルカラー」や「アースカラー」を基調とします。温かみのある配色でまとめることで、明るく居心地の良い空間になります。
◆ジャパンディの配色|基本カラーとおしゃれに仕上げるコツ
◎ベースは「ニュートラルカラー」と「アースカラー」
ジャパンディの配色は、落ち着いたニュートラルカラーとアースカラーをうまく組み合わせることが基本。空間全体をやさしく包み込むような色使いがポイントです。
- ベージュ
- グレージュ
- モノトーン(白、グレー)
- アイボリー
- 木の自然な色味
◎アクセントに和の伝統色
照明やインテリア小物、建具などに和のテイストをさりげなく取り入れることで、空間が引き締まり、奥行きが生まれます。
- 墨色
- 藍色
- 利休茶(緑味を帯びたくすんだ薄茶色)
- 生成り色
◆ジャパンディスタイルに合う素材・家具・インテリア選び
ワンランク上の空間に仕上げるためには、素材とアイテム選びが重要です。
◎【アイテム別】素材選びのポイント
| アイテム | おすすめの素材 |
|---|---|
| 床・家具 | 無垢材 |
| 壁 | 漆喰 |
| 建具 | 和紙、無垢材、竹 |
| ファブリック | 麻、綿、リネン |
◎家具・照明選びのポイント
家具は、ローテーブルやローソファなどの背が低めのものを選ぶと、空間に余白が生まれ、広く感じられます。視線も低くなり、落ち着きやくつろぎ感をもたらします。
照明は、柔らかな光が広がるものを選びましょう。間接照明やフロアランプ、和紙製のシェードを使った照明などがおすすめです。やさしい光と影のコントラストが、空間に奥行きと温もりを演出します。
◆ジャパンディを取り入れた家づくりのポイント
ジャパンディスタイルの家づくりでは、住まい全体の統一感が重要です。それには、間取りや光の取り込み方、動線など、設計段階から世界観を整える必要があります。実際の事例をもとにポイントを見ていきましょう。
◎高天井と水平ラインですっきり開放的な空間に
3.5mの高天井と窓からの視線の抜けがつくる、開放感あふれる大空間LDK。床と天井は無垢材で仕上げ、間接照明が木目の表情を際立たせ、柔らかな印象を与えます。
畳スペースの腰壁とキッチンの高さ、サッシや建具、開口部の上ラインを揃えることで、すっきりと洗練された空間に仕上げられています。
◎北欧ナチュラルなLDK
北欧インテリアをイメージさせる、ナチュラルな配色が魅力。板張りの天井や化粧梁が、温かみのある雰囲気で包み込みます。家具の高さを抑えることで、より視線の広がりを感じられます。
夜は化粧梁に仕込んだ間接照明やダウンライトが、柔らかな光を拡散させ、くつろぎ感を演出します。
◆和モダンとはどう違う?
ジャパンディとしばしば混同されやすいのが「和モダン」です。違いを分かりやすく表にまとめてみました。
| スタイル | インテリアベース | デザイン | 素材 | 基本カラー |
|---|---|---|---|---|
| 和モダン | 和を基調+ 洋風要素(モダン・機能性) |
直線的 洗練 シンプル |
自然素材 (無垢材、漆喰など) |
モノトーン 木目調 |
| ジャパンディ | 北欧を基調+ 和のアクセント |
落ち着き 温かみ 心地よさ シンプル |
自然素材 (無垢材、漆喰、竹など) 天然繊維 和紙 |
ニュートラルカラー アースカラー 木目調 |
「和モダン」が日本の伝統建築をベースに現代的な洗練さや機能性を取り入れているのに対し、「ジャパンディ」は北欧スタイルをベースに和の要素を取り入れたスタイルです。自然素材を用いる共通点もありますが、デザイン性よりも心地よさを重視している点が異なります。
◆ジャパンディを取り入れる際の注意点と失敗例
思ったようなコーディネートにならないという方のために、よくある失敗例と空間づくりのポイントをご紹介します。コーディネートの参考にしてみてください。
◎よくある失敗例
- 和の要素が強くなりすぎて重たい印象に
- 家具と素材のテイストがミスマッチ
- 配色や素材使いに統一感がない
- シンプルにまとまらない
- 家具のサイズ感が空間に合っていない
◎失敗を防ぐコツ
ジャパンディスタイルは、「足しすぎない」ことが成功の秘訣です。過剰な装飾を避け、家具や物も最小限にしましょう。配色は2~3色にして、素材感を揃えます。
また、和の要素を取り入れすぎると、北欧スタイルの良さが薄れてしまうため、和の要素はアクセント程度に。北欧のシンプルさや温かみとの調和を意識しましょう。
◆まとめ|ジャパンディスタイルで心地よい住まいを実現しよう!
ジャパンディとは、和の伝統美と北欧の機能美を融合した、時代を超えて愛される普遍性が魅力のスタイルです。理想の空間に仕上げるには、設計段階から配色や素材選び、余白を意識したミニマルなデザインや余白を大切にし、住まい全体に統一感を持たせることが重要です。
アヤプラスハウスは、和モダンに北欧テイストを融合したジャパンディスタイルの家づくりを得意としています。10年、20年、30年と時を重ねても色褪せることのない住まい、時代を超えていつまでも住む人に寄り添えるデザインを目指しています。心豊かに暮らせる家づくりをお考えの方は、お気軽にアヤプラスハウスまでご相談ください!ジャパンディスタイルのモデルハウスも公開中ですので、ぜひ一度実際の空間を体感してみてください。
合わせて読みたい
*YouTube 「これが流行のジャパンディスタイル!社員大工の新居を大公開!」
https://www.youtube.com/watch?v=qSTPKjvZ1s4
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*この記事を書いた人
石川住建 代表取締役 石川 武 / スタッフインタビュー











