目次
みなさんは「気密性能」や「C値」という言葉を耳にしたことがありますか？実は、家は断熱性能を高めるだけでは、本来の効果を十分に発揮できません。そこでカギとなるのが、「気密性能（C値）」です。今回は、なぜ気密性能（C値）が重要なのか、C値の基準や目指すべき数値の目安についても、詳しくご紹介します！
◆C値とは？数値でわかる家の“すき間”
家の快適さや省エネ性能を高めるには、断熱性能だけでなく「気密性能」も重要です。たとえるならダウンジャケット。ファスナーを開けたままでは暖かさが半減してしまいます。同じように、せっかく高性能な断熱材を使っても、家がすき間だらけでは暖かい空気は逃げ、外気が侵入してしまいます。そこで、すき間をできる限り減らし、空気が出入りしないよう気密性を高める必要があります。
◎C値の定義と単位（cm²/m²）
C値とは、相当隙間面積ともいわれ、建物全体の気密性能を数値で表したものです。単位は「cm²/m²」で示され、家全体の延べ床面積1m²あたりにどのくらいのすき間があるかを示します。
C値（cm²/m²）＝建物全体のすき間面積（cm²）÷延べ床面積（m²）
【例】延べ床面積100m²・すき間面積50 cm²の家の場合
「50cm²÷100 m²＝Ｃ値0.5cm²/m²」
この数値が小さいほどすき間が少なく、気密性能（C値）に優れていることを意味します。
◎低C値がなぜ重要なのか？
C値が低い（＝気密性能が高い）家には、次のようなメリットがあります。
・室温が安定し、快適な室内環境を保てる
・冷暖房効率が高まり、光熱費を抑えられる
・家全体の温度差が少なく、ヒートショック対策になる
・外気や花粉、ホコリの侵入を防げる
・計画換気が正しく機能し、新鮮な空気を取り入れられる
反対に、C値が大きい（＝気密性能が低い）家では空気が出入りしやすく、断熱効果は低下します。断熱材の性能を最大限に高めるためには、C値をできるだけ低く抑えた高気密な家づくりが欠かせません。
◆C値の全国平均と基準値
では、具体的にどのくらいの数値を目指せばよいのでしょうか。C値の平均値や目安について見ていきます。
◎C値の平均はどのくらい？
2009年以前は、国が定める「次世代省エネルギー基準」にてC値の基準が設けられていました。しかし、現在は明確な基準がなく、全国平均として公表されている数値もありません。ただ「高気密住宅」といわれる住宅は、C値が1.0cm²/m²以下とされています。
| C値（cm²/m²） | 概要 |
|---|---|
| 0.2以下 | 超高性能住宅：国内最高レベルの極めて高い気密性能 |
| 0.5以下 | 超高気密住宅：非常に高い気密性能、冷暖房効率が格段に向上 |
| 0.7以下 | HEAT20推奨値：気密性が高い |
| 1.0以下 | ZEH基準：高気密住宅の目安 |
| 2.0以下 | 2009年「次世代省エネルギー基準」北海道・東北など寒冷地 一般住宅：気密性は低い |
| 5.0以下 | 2009年「次世代省エネルギー基準」寒冷地以外の地域 |
◎高気密住宅の目安（1.0以下）
快適で省エネな住まいを目指すなら、「C値1.0cm²/m²以下」をひとつの基準にするとよいでしょう。実際に、多くの住宅会社がこの数値を高気密住宅の目安としています。さらに性能を重視するなら「C値0.5cm²/m²以下」を目指すのが理想的。近年は「C値0.5cm²/m²以下を標準仕様」としている住宅会社も増えています。
◆C値を良くする3つの工夫
高気密住宅を実現するうえで最も大事なことは、施工の精度です。それには、設計段階での綿密な計画と建築現場での高い技術力が不可欠です。
① 断熱材と気密シートの施工精度
断熱材の継ぎ目や気密シートの重ね部分にすき間があると、空気が漏れて性能が低下します。特に天井裏や配管まわりなど、見えにくい部分こそ丁寧な施工が必要です。気密シートや気密テープの処理を確実に行うことが性能に直結します。
②サッシ・窓の気密処理
窓などの開口部は最もすき間ができやすく、気密性能を左右する大きなポイントです。引き違い窓よりもすべり出し窓やFIX窓のほうが気密性に優れ、樹脂サッシや気密パッキン付きサッシを採用することで、住宅全体の気密性は大幅に向上します。
③職人の施工管理力
どんなに高性能な建材を使っても、施工精度が低ければ意味がありません。建物の性能は大工職人の腕で決まります。丁寧で確実な施工をしてはじめて、高性能な住宅が実現するのです。
◆C値が悪いとどうなる？
気密性能が低いと、住まいの快適性だけでなく、目に見えない部分でも問題が起こる可能性があります。
◎冷暖房効率の低下
建物にすき間が多いと、空気が出入りしやすくせっかく温かい（冷えた）空気が逃げていってしまいます。外気の影響を受けやすくなるため、快適な室温を保つためにエアコンに頼らざるを得ません。
◎結露・カビのリスク
外気が室内や壁内に侵入すると、温度差による内部結露が発生しやすくなります。このような状態が続くと、カビの発生や木材の腐食を招き、住宅の寿命を縮めるリスクが高まります。気密性を高めることで湿度コントロールがしやすくなり、住まいが長持ちします。
◆アヤプラスハウスのC値測定と実績
「ずっと健康で快適に暮らせる家づくり」を目指すアヤプラスハウスでは、気密性（C値）にもこだわっています。
◎全棟測定の実施体制
アヤプラスハウスではすべての家で気密測定を実施しています。気密測定を実施しない住宅会社も多くありますが、当社では専用の測定器を用いて、建物ごとにしっかり数値を確認し、その結果が記された報告書をお客様に提出しています。
◎気密性能の※平均値0.14cm²/m²の高水準を実現
※当社が2024年8月〜2025年10月にお引き渡しした全ての住まいについて実施した
隙間相当面積（C値）測定の平均値
アヤプラスハウスの直近1年間の気密測定平均値は、0.1441cm²/m²。これは高性能住宅の中でも極めて高い水準であり、国内トップクラスの超高気密性能です。なかには、C値0.11cm²/m²という圧倒的に高い数値を測定した家もあります。アヤプラスハウスでは、高い施工品質で家づくりを行うため、社員大工が細部まで丁寧に施工を行います。その結果、これほど高い気密性能を測定できるのです。
◆まとめ｜気密性能（C値）を理解して、快適で省エネな家づくりを
家のすき間の大きさを表すC値について、理解を深めていただけたでしょうか。気密性能を高めることで、住宅性能は格段に向上します。快適で省エネな暮らしを叶えたいなら、断熱だけでなく気密にも注目することが大事です。
◎気密測定を実施している住宅会社がおすすめ！
お客様の大切な家づくりに真剣に向き合っている住宅会社ほど、C値に強いこだわりを持っています。C値は現場ごとに計測する必要があるため、家づくりの際はぜひ気密測定を実施しているか確認してみてください。家庭用エアコン1台で家中快適なアヤプラスハウスの高気密・高断熱な家を体験したい方は、ぜひモデルハウスへお越しください！
合わせて読みたい：
https://www.youtube.com/watch?v=IlnqfQ-tARA
https://www.youtube.com/watch?v=kLhjX5tl8bU
============================
＊この記事を書いた人
石川住建 代表取締役 石川 武 / スタッフインタビュー
